「太陽久しぶり」 マリウポリ製鉄所 市民100人退避

東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から、約100人の市民が退避した=1日(ロイター)
東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から、約100人の市民が退避した=1日(ロイター)

ロシアの侵攻が続くウクライナのゼレンスキー大統領は1日、ウクライナ守備隊や約1000人の市民が籠城する東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所から、約100人の市民が退避したと発表した。退避は国連や赤十字国際委員会(ICRC)が支援。製鉄所から本格的な市民の退避が実現したのは初めて。ゼレンスキー氏は、今回の退避は「第1陣」だとし、今後の退避の進展に期待感を示した。

ただ、今後、製鉄所に残る市民の退避がどの程度スムーズに進むかは不透明だ。実際、ウクライナメディアは同日、市民の退避後に露軍が製鉄所への砲撃を再開したと伝えた。

退避した女性(37)はロイター通信に「長い間、太陽を見ていなかった」と証言。女性は、守備隊や市民が籠城している地下施設が「露軍の爆弾で揺れ、壁がはがれていった。崩れないかと恐怖を感じていた」とも述べた。

ウクライナメディアによると、退避用バスは国連と連携したICRCが準備。ゼレンスキー氏は同日、「退避者らと2日に南部ザポロジエで面会する」とツイッターで述べ、国連とICRCに謝意を表明した。

露国防省は1日、退避について「プーチン大統領の主導だ」と強調。子供や女性を含む約80人が退避したとし、「ウクライナの国家主義者の拘束から解放された」と主張した。

製鉄所からの市民退避を巡っては、国連のグテレス事務総長が4月26日、モスクワで会談したプーチン氏に実現を要請。プーチン氏も国連の関与を拒否しない意向を示していた。

ウクライナメディアによると、露軍に占領されたマリウポリ市内からの住民の避難も2日に行われる予定。マリウポリは露軍の攻撃で廃虚と化し、食料や水が乏しいまま市民約10万人が残っているとされる。ウクライナ側は侵攻以降に市民2万人以上が犠牲になったと推計している。

一方で露軍は1日もウクライナ各地への攻撃を継続。ウクライナメディアによると、東部ハリコフ州当局は同日、露軍の砲撃で市民3人が死亡したと発表した。

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