朝晴れエッセー

ツバメと息子たち・5月2日

ツバメが飛来する季節になった。毎年わが家の玄関先を旋回しては巣作りに最適な場所かどうか偵察し、確かめに来る。壁の脇にある電灯の上に止まりピーチクパーチクさえずり、かしましくしゃべる。いったい何を言っているのかツバメの言葉が分かるようになりたい。

巣作りするのを期待するが、条件が合わないのか、お気に召されず毎年空振りに終わる。巣作りされるとふんだらけになり大変だと嫌がる人もいるが、私は幸運をもたらす鳥だと思っているので歓迎する。

そこで今年は壁にかまぼこ板くらいの木の台をつけてみた。それが功を奏し1羽のツバメが暗くなってから寝床として使うようになる。近づいて写真を撮っても微動だにせず眠っている。眠りこけてぐっすり。

「かわいい~」

思わずしばし見つめてしまう。しばらくは独りぼっちで、巣は作りそうにないと思っていたが、お相手をうまく見つけて2羽で辺りを飛びまわるようになった。2羽はかしましく何やらさえずり、マイホームづくりの相談をしているよう。

ふと、わが家の息子たちのことを思う。すでに30を過ぎた。そろそろ、いいお相手がいないものかと…思いを巡らす。

それから数日後、台の上には土が盛られ始めた。わらのような枝のくずも運んできている様子。家主の私たちは玄関を遠慮しつつ、そっと開けるようになり見守る日々。同じく息子たちのこともそっと見守るだけの日々がこれからも続きそう。幸運の兆しに良き未来を期待し、来る日を待つ親鳥である。


後藤田郁子(60) 大阪府阪南市

会員限定記事会員サービス詳細