叙勲 群馬県内から69人 <旭日双光章>元県議、織田沢俊幸さん(70) 小渕元首相薫陶、「政治家は人の役に立ってこそ」

春の叙勲 元県議、織田沢俊幸さん=甘楽町(柳原一哉撮影)
春の叙勲 元県議、織田沢俊幸さん=甘楽町(柳原一哉撮影)

さまざまな分野の功労者に贈られる「春の叙勲」が発表された。県内からは旭日小綬章3人▽旭日双光章14人▽旭日単光章5人▽瑞宝小綬章8人▽瑞宝双光章20人▽瑞宝単光章19人―の計69人が栄誉に輝いた。発令は29日付。このうち、人生の大半を政治とともに歩んだ元県議、織田沢俊幸さん(70)に、旭日双光章の受章の喜びの声を聞いた。

東京の大学卒業とともに県選出の衆院議員、故小渕恵三氏の秘書となったのが最初の政治との関わりだった。

「物心ついた頃から政治家秘書への憧れがあった」。オイルショックで就職先探しは困難で、紹介により一も二もなく小渕氏の下で書生から始めた。

その小渕氏を「本当に気遣いの人でした」と振り返る。土産物を忘れないようにといった社会人としての心得に始まり時に厳しい指導を受けながら、「地元を大切にする政治のイロハを学んだ」。

中央での秘書経験を買われ、37歳で地元・甘楽町ナンバー2の助役に就任。国政や県政など対外的な交渉ごとなどを任された。

当時、町の陳情を伝えるため首相官邸を訪れた際、首相だった小渕氏が会議を抜け出して顔を見せてくれた。「一つ一つの心遣いが人のつながりを大切にする政治の礎になった」。まさに薫陶を受けた存在だった。

4期16年務めた県議時代では「側溝に蓋がない」などの陳情に一つ一つ対応。靴底を減らし続けた真摯な姿勢がいつしか認められ、県議会議長、自民党県連幹事長などの要職へと押し上げられたという。

県議時代の実績として挙げるのが、水源地域にある森林の整備などに活用される「ぐんま緑の県民税」の導入だ。議会に特別委員会を設け、自ら創設に尽力した。「故郷の森林が荒れていくのを黙ってみていられない」。地元愛を胸に政策実現にこぎ着けた。

自身は70代となり、後進に期待をかける。群馬県はこれまでに小渕氏をはじめ4人の首相を輩出し、「後継の小渕優子氏には十分な素質が備わっている」と期待感を隠さない。

後進には「政治家は人の役に立ってこそ」と伝えるが、それは言い換えれば自らの政治信念でもあった。今回の受章は長年の地元貢献が結実したものと控えめに受け止めている。(柳原一哉、写真も)

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