激化する中国市場で日系自動車大手がEV加速

トヨタ自動車が昨年4月に上海国際モーターショーで発表した新型EV「bZ4X」のコンセプト車両(三塚聖平撮影)
トヨタ自動車が昨年4月に上海国際モーターショーで発表した新型EV「bZ4X」のコンセプト車両(三塚聖平撮影)

【北京=三塚聖平】日系自動車メーカーが、中国市場で電気自動車(EV)事業を加速している。4月下旬には、トヨタ自動車が新型EVの予約受付を始め、ホンダは中国で初となるホンダブランドのEVを発売。世界最大の自動車市場である中国では政府の後押しでEVの販売拡大が見込まれており、日系各社も取り組みを強化する考えだ。

トヨタは4月28日、中国で新型EV「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」の事前予約受け付けを始めたと発表した。中国で人気のスポーツ用多目的車(SUV)で、販売価格は22万元(約432万円)から30万元を見込んでいる。

ホンダと現地企業との合弁会社である東風ホンダは同26日、SUVタイプの新型EV「e:NS1」(イーエヌエスワン)を発売した。販売価格は17万5千元から21万8千元。広汽ホンダも5月に新型EV「e:NP1(イーエヌピーワン)」の予約を始める。

日産自動車も、中国でEV事業を強化する方針だ。

中国EV市場は急拡大が続く。中国自動車工業協会によると、2021年にEVなどの新エネルギー車の販売台数は前年比2・6倍の352万台と急増した。

ただ、中国で人気を誇ってきた日系メーカーもEVでは出遅れが目立つ。米テスラのほか、上海蔚来汽車(NIO)や広州小鵬(シャオペン)汽車科技といった中国新興勢も存在感を誇っている。中国紙の第一財経日報(電子版)は4月末、中国で新エネ車の販売ランキングの上位に日本勢が入っておらず、「一時的にEV市場で弱小勢力となっており、日系メーカーが乗用車販売で受ける圧力が次第に大きくなっている」と指摘した。

ホンダの井上勝史・常務執行役員兼中国本部長は「中国では既に多くのEVの選択肢がある」と競争の激しさを認めつつ、新型EVの投入で巻き返しに出る考えを強調している。東風ホンダと広汽ホンダは、24年の稼働開始を目指してEV専用工場を新設する計画で、商品面だけでなく生産体制でもEVシフトを進める方針だ。

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