日越首脳、ウクライナ「領土一体性尊重」で一致

ベトナムのファム・ミン・チン首相(右)と共同記者発表する岸田首相=1日、ハノイ(共同)
ベトナムのファム・ミン・チン首相(右)と共同記者発表する岸田首相=1日、ハノイ(共同)

【ハノイ=杉本康士】ベトナムを訪問中の岸田文雄首相は1日、ファム・ミン・チン首相と会談し、ロシアによるウクライナ侵攻について「独立・領土の一体性を尊重する原則が守られなければならない」ことを確認した。即時停戦と人道支援の重要性についても一致。大量破壊兵器による威嚇や使用、国際人道法に反する民間人や民生施設の攻撃に反対する考えも申し合わせた。

首相は会談で「世界は国際秩序の根幹をめぐる歴史の岐路に立っている。両国の連携をこれまで以上に強化していきたい」と強調。チン氏は日本について「多くの共通利益を有する長期的な最重要の戦略的パートナーだ」と述べた。

ベトナムはロシアに対して非難も支持もしない立場をとっている。チン氏は会談後の共同記者発表で、ロシアを名指しこそしなかったが、「武力行使・威嚇を行わないことをはじめ、国際法の基本的原則を順守すべきだ」と強調した。ウクライナ人に対する人道支援のため50万ドルを拠出すると発表した。

また、両首脳は会談で、中国による南シナ海での力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対することで一致した。サイバー防衛分野で自衛隊によるベトナム軍の能力構築支援を行うことで合意したほか、ベトナム海上警察に対する支援を強化することも確認した。

首相はサプライチェーンの多元化、デジタル化などの分野で協力を加速させると表明。ベトナムを含むメコン川流域地域の開発基金に対する1・5億円拠出のほか、ベトナムからの技能実習生に対する悪質ブローカーの関与を防ぐための対策についても説明した。首相はグエン・スアン・フック国家主席らとも会談した後、タイを訪問する。

会員限定記事会員サービス詳細