群馬・高崎 林業遺産を記念した「林業技術の今昔展」 8日まで

群馬県高崎市倉渕町川浦の旧家に伝わる江戸時代の絵巻物「川浦山御用木御伐出絵図(かわうらやまごようぼくおきりだしえず)」が昨年5月に日本森林学会の林業遺産に認定されたのを記念した「林業技術の今昔展」が、道の駅・くらぶち小栗の里(同町三ノ倉)で開かれている。絵巻物の紹介だけでなく、人力に頼った昔の林業と機械化が進む現代の林業との比較もされ、興味深い内容となっている。8日まで。

天保4(1833)年から同6(1835)年にかけて、川浦地区にあった江戸幕府の直轄林から江戸城再建のため、大量のケヤキなどが切り出され水運で江戸まで運ぶという難事業が行われた。切り出された木材はケヤキ906本、クリ279本、スギ30本に及んだという。

絵巻は長さ10メートル、幅30センチ。おのを使って切り出された材木が急峻(きゅうしゅん)な山からさまざまな技術、仕掛けを駆使して烏川まで降ろされ、現在の倉賀野町でイカダに組まれて利根川を経由し、江戸まで運搬された様子が鮮やかな色彩で詳細に描かれている。当時の林業の状況を克明に伝えている点が評価され、県内では初めての林業遺産に選ばれた。

今昔展では、絵巻の精巧なレプリカとともに、場面を15点に分けた解説パネルを展示。木の幹に3方向からおのを入れ、3本の支柱を残して中の空間で火をたく「鼎伐りと株焼きの図」など当時の高い技術を示したものも。作業には、木曽地方の技術者である杣人(そまびと)集団が多く従事していたことから木曽地方での作業絵図も展示した。

会場では、おのやのこぎりなど昔の林業で使われた道具とチェーンソーやプロセッサーなどの大型機械など現代の林業で使われている道具も対比するように紹介されている。

林業遺産の申請にも関わった烏川流域森林組合の市川平治組合長は「この地域に伝わった林業の歴史とともに、人力から機械に取って代わった林業の変遷を感じてもらえたら」と話している。

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