ゴールデンウイークを前に円相場は1ドル=130円台を突破し、平成14年以来、20年ぶりの円安水準となった。新型コロナウイルス禍では、先進7カ国(G7)の中で日本経済だけが回復に後れを取り、成長率の低迷は著しい。この「日本独り負け」は、数十年にわたる連続した経済政策や経営選択の帰結でもある。果たして突破口はあるのか。現状と処方箋についてみずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏に聞いた。
◇
世界の主要通貨に対する円の通貨としての実力を示す「実質実効為替レート」が今年、約50年ぶりの低い水準となり、「行き過ぎた円安」と話題になった。諸外国の物価が日本よりも上がる一方、円相場の為替レートがほぼ横ばい圏で推移したことが理由だ。