深層リポート

神奈川発 大和市長パワハラ疑惑 訴訟合戦…騒動が長期化

市議会の調査特別委員会で証言する金子勝前副市長=令和4年3月7日、神奈川県大和市役所(末崎慎太郎撮影)
市議会の調査特別委員会で証言する金子勝前副市長=令和4年3月7日、神奈川県大和市役所(末崎慎太郎撮影)

市議会は昨年6月、調査特別委員会を設置し、パワハラ疑惑の調査を進めてきた。管理職を対象に無記名で、市長によるパワハラと捉えられる言動を直接受けたか見聞きしたことがあるかアンケートを実施。計134人中103人が回答し、「ある・見聞きしたことがある」15人、「ある」4人、「見聞きしたことがある」42人で、パワハラを直接受けたと自覚している人が計19人に及んだ。

この結果を踏まえ特別委は今年3月、大木市長と金子氏を招致して意見聴取を実施したが、双方の主張は平行線のままだった。

権限集中の功罪

県内の市役所で長年勤務し、現在は関東学院大(横浜市)で教鞭(きょうべん)を執る出石稔教授(地方自治論)は「人事権など権限が集中する市長の発言力は強い」とし、「それは施策を推進するリーダーシップとなる一方、市長の個人的な私情が絡めば、パワハラになる」と指摘する。

来年5月には大木市長は任期満了を迎える。現時点で次期選挙への対応について明らかにしていないが、市政に衝撃を与えた一連の騒動への〝審判〟は、市民に委ねられることになる可能性もある。

パワーハラスメント】 厚生労働省は①優越的な関係を背景として②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により③就業環境を害する―行為をパワハラと定義。改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)を受け、令和2年6月から大企業で、今年4月からは中小企業でもパワハラ対策が義務化された。全国の自治体でも3月16日時点で12市区町にパワハラを含むハラスメント防止に関する条例が制定されている。

記者の独り言】 昨年4月入社の私は翌5月から、神奈川県内を担当する記者として働き始めた。そして同月26日に大和市長の定例会見で目にした光景は衝撃的だった。直前に市長のパワハラ疑惑が報じられており、記者団からの追及を逃れて会見場を一方的に退席する市長にベテラン記者らから怒号が飛んだ。それから間もなく1年。騒動が続く現状に、市政の停滞を感じるのは私だけだろうか。(末崎慎太郎)

会員限定記事会員サービス詳細