深層リポート

神奈川発 大和市長パワハラ疑惑 訴訟合戦…騒動が長期化

自らのパワハラ疑惑を否定する大木哲市長=令和3年5月26日、神奈川県大和市役所(末崎慎太郎撮影)
自らのパワハラ疑惑を否定する大木哲市長=令和3年5月26日、神奈川県大和市役所(末崎慎太郎撮影)

神奈川県大和市で昨年5月、現職市長による市職員へのパワーハラスメント疑惑が浮上し、1年近くたったいまも騒動が続いている。大木哲(さとる)市長(73)のパワハラを前副市長の金子勝氏(65)が主張し、名誉毀損の訴訟合戦にまで及んでいるのだ。市議会が疑惑の調査に乗り出すも長期化しており、いまだ決着への具体的な動きは見えない。

食い違う主張

市長のパワハラ疑惑が浮上したのは昨年5月。市長による職員へのパワハラに対する抗議を理由に、金子氏が同4月に副市長を辞職したとの報道が発端となった。

その後の5月26日の定例記者会見で大木市長は金子氏の主張を「捏造(ねつぞう)」と非難。自らのパワハラ的言動を完全否定するも、記者団から疑惑に関する質問が上がると途中で会見を一方的に打ち切り退席した。

大木市長は同6月、金子氏を相手取り「虚偽の事実を流し、社会的評価を損ねた」などとして謝罪広告の掲載と慰謝料など1100万円の損害賠償を求め、横浜地裁に提訴した。審理は現在も継続しており、金子氏側は、同じく任期途中で辞職した元副市長の平松博氏を含む元職員3人からの「専制国家の王様のようだった」「職員がモノを言えない閉鎖的な雰囲気があった」などとする陳述書を提出している。また金子氏は今年3月末、「『証言は捏造だ』と噓つき呼ばわりされた」として反訴した。

相反する評価

大木市長は平成19年、前市長の多選などを批判し県議から初当選、現在4期目だ。「選挙で負けなし」と言われ、その後の3回の選挙ではいずれも得票率約50~65%で当選を重ねている。

市長の肝煎りで6年前に完成した文化複合施設「シリウス」は、施設内の市立図書館の来館者数が日本一となるなど、市のランドマークとなっている。一昨年4月には、市長の発案で全国初となるいわゆる「マスク着用条例」を制定するなど、時宜を捉えた施策や言動には市民から一定の評価の声がある。

一方、市役所内からは「市長には意見しにくい」といった声も漏れる。

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