主張

コロナ下のGW 検査とワクチンの徹底を

緊急事態宣言も蔓延(まんえん)防止等重点措置も出ていないゴールデンウイークの到来である。航空各社や鉄道の予約も回復してきている。久しぶりに家族旅行や帰省を計画している人も多いだろう。

しかし、新型コロナウイルスが消えてなくなったわけではない。連休が始まる解放感から警戒を緩めすぎてはいけない。

岸田文雄首相は26日の記者会見で、国民に新型コロナ対策への3点の協力を求めた。ワクチンの接種促進、積極的な検査の活用、マスク着用や手指消毒などの基本的な感染対策だ。連休中は、主要駅や空港などに臨時の無料検査拠点を拡充するという。帰省や旅行に出発する前の検査の徹底とワクチン接種を求めている。

だがメッセージが十分に伝わっているか疑問だ。情報発信には足並みの乱れもある。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は27日、大型連休後の急激な感染拡大に備えた新しい施策を検討していると述べたが、結論を出す時期も方向性も置き去りである。連休が始まるタイミングで首相と呼吸を合わせて施策を発信すべきだったのではないか。

新型コロナの新規感染者数は減少傾向だが、昨夏のピーク時を上回っている。北海道や沖縄県といった観光地で感染が拡大していることも気がかりだ。

沖縄では入院者数と病床使用率が高止まりし、地元の専門家は現状を「第7波」と明言している。医療資源の少ない地方では病床逼迫(ひっぱく)が容易に起きる。観光客が事前検査やワクチン接種を徹底し、外からウイルスを持ち込まないようにする配慮が必要だ。

3回目のワクチン接種率は全国民でようやく50%を超えたところだ。特に若い世代で低調だが、3回目の接種を行うことで罹患(りかん)時の重症化を防げることは明確になっている。厚生労働省は27日、4回目接種の実施について、60歳以上か18歳以上で持病がある人に対象を絞ると述べた。これが若年層に3回目接種も必要なしと誤解されないか心配だ。

発信のタイミングや中身には細心の注意を払ってほしい。

都道府県ごとの接種率の差も生じている。接種が低調な地域では職場や学校が休みになるこの時期を、接種促進の好機とすることを考慮してほしい。

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