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『素人のための防衛論』 どうすれば侵略を防げるか

市川文一著「素人のための防衛論」(産経NF文庫、潮書房光人新社)
市川文一著「素人のための防衛論」(産経NF文庫、潮書房光人新社)

『素人のための防衛論』市川文一著(産経NF文庫・880円)

ロシアのウクライナ侵攻で、どうすれば他国からの侵略を防げるか防衛についての関心が高まっている。

本書は元陸自将官の著者が、複雑でわかりにくい防衛・安全保障の基礎を解説。数ある入門書の中でも、軍事や外交の専門知識がなくても理解できるようやさしく書いている点が「画期的」だ。

前半では、架空の大陸を例に防衛論の基礎が説明される。大陸に国が1つしかなければ「戦力」は必要ない。それが2カ国になり、A国が強力な通常戦力を持ったとき、B国は自国防衛にどのくらいの戦力が必要になるか。C国も加わり3カ国になると、どうなるか。

さらに、圧倒的な破壊力を持つ核戦力が加わったとき、この大陸の戦力バランスを保つにはどうするか。こうした例から「軍事同盟」「集団的自衛権」「抑止力」「核の傘」といった基本概念が、驚くほどすんなりと頭に入ってくる。

後半は日本の置かれた安全保障環境を解説する。日本の周辺諸国と米国の軍事力を数値化して比較。ウクライナ紛争で顕在化した新たな脅威を加味しながら、日本が将来必要とする防衛力を考える。緊急加筆「ロシアのウクライナ侵攻」は必読だ。

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