「非常に名誉なことで光栄。棋士としても人間としても成長できるよう、精いっぱい精進したい」
平成14年に12歳で日本棋院関西総本部所属棋士としてプロ入り。28年に七大タイトル(十段・棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖)独占という前人未到の偉業を成し遂げ、翌年、再び達成。30年に囲碁界初の国民栄誉賞を受賞した。
国内戦だけでなく、世界戦にも参加。現在も過半数の4冠を保持し第一人者として君臨するが、年齢が下の世代の台頭は著しい。
若手に勝るのは十数年タイトル戦を戦った豊富な経験というが、近年メンタルトレーニングを始めるなど、努力を惜しまない。「現状維持では結果を出すのは難しい。挑戦する姿勢が重要」と強調する。
原動力は「盤上の変化は無数で、1局として同じにならず奥深い」という囲碁への探求心。「まだまだ、分からないことだらけ。少しでも自分なりに囲碁の真理に近づければ」と語った。(中島高幸)