きっかけの種

その会合、本当に必要? 「面倒」がコロナ禍で可視化、取捨選択の契機に

コロナ禍は日本文化から飲み会を一掃し、オンライン会合やリモートワーク(テレワーク)を加速させた。例年なら歓送迎会が多く開かれる年度替わり、果たして会合事情はどうなっているのか。コミュニティ「きっかけ」で身近な地域での活動の現状や、送別・歓迎の席の工夫を尋ねたところ、延べ300件近い投稿が集まった。

飲食を伴う会合の多くが中止となる中、まず目立ったのは「義理付き合いがなくなった」「精神的にも経済的にも助かる」「自分の時間が増えた」など”飲み会文化”が消えたことを歓迎する率直な声だ。もしかして飲み会を負担に思う人は多かったのだろうか?

「すべての集まりが負担なのではなく、以前から面倒だと思っていた会合が、コロナ禍で可視化されたのだと思います」と分析するのは、都市部の企業の従業員を対象にコロナ禍前後の職場の集まりの変化について調査(下記グラフ)を行ったリクルートワークス研究所主任研究員の辰巳哲子(さとこ)さんだ。事実、親しい友人たちとはリモートで定期的に集まっているとの投稿は多かった。参加したい会合、話したい相手であれば付き合いは継続されており、外出する手間がない分、リモートの方が楽だという声も複数あった。

辰巳さんによると、会社の会議や会合にはオンラインで代用しやすいものとそうでないものがあるという。情報伝達や目的がはっきりしている会議はオンライン向き。一方で、日本の組織文化にありがちな「言葉にしなくても通じ合える」といった暗黙の了解は、オンラインでは得られにくい。仲間意識の醸成や横の連携にも課題は残る。

「きっかけ」に寄せられた歓送迎会の投稿からは、そうした課題を解決しようとする工夫もみられた。パワーポイント(プレゼンテーション用ソフト)で自己紹介を作ったり、感謝のメッセージを動画にしてつなぎ合わせたりした事例について、辰巳さんは「こうした工夫をすると、自分がどういう人間か、人となりが伝わり、その後のコミュニケーションも活性化する」と評価する。

距離をとり短時間で行う対面の歓送迎会が復活した企業もあるが、「遠方の支店の従業員も飲み会に参加できる」とオンラインを歓迎する声も。確かにオンラインだと、子育てや介護をしている社員も、飲み会や研修に参加しやすくなる。多様な人材、多様な働き方が増える中、オンラインの普及は社会の多様性を認める後押しにもなっている。

「きっかけ」とは

産経新聞社が運営するコミュニティ。現在約2万4000人の参加者が、コミュニケーションを交わしており、「参加者の会話が社会性のあるニュースになるメディア」をコンセプトに運営を行っている。登録、参加は無料 https://www.beach.jp/community/KIKKAKE/index

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