日銀総裁、過度な為替変更は企業に「マイナスに作用」

金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田総裁=28日午後、日銀本店(代表撮影)
金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田総裁=28日午後、日銀本店(代表撮影)

日本銀行は28日、金融政策決定会合を開き、四半期に一度公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、令和4年度の物価上昇率見通し(中央値)を1月時点の前年度比1・1%から1・9%に引き上げた。ただ、黒田東彦(はるひこ)総裁は同日の記者会見で、足元の物価上昇は原油高を主因とした一時的なものだと改めて主張し、「企業収益や賃金が増加する好循環の中で2%目標を安定的に実現するまでには、なお時間を要す」との見方を示した。

会合では、デフレ脱却を目指し長短期の金利を低く抑える金融緩和策を維持。また、指定された利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を原則として毎営業日実施すると発表した。長期金利の指標となる新発10年債を0・250%の利回りで買い取り続けることで、金利上昇を抑える姿勢を明確にした形だ。黒田氏は「市場が日銀の政策に関する憶測で揺れ動くのは適切ではない」と常態化する狙いを説明した。

日銀が金利抑制の姿勢を鮮明にしたことで、28日の外為市場では円安ドル高が急速に進んだ。黒田氏は「今回の政策が円安を促すとは思わない」と反論しながらも、「為替の過度な変動は企業の事業計画策定を難しくするなどマイナスに作用する」とも述べ、注視する必要性を認めた。

日銀の対応が「悪い円安」を懸念する政府と食い違うとの指摘について、黒田氏は「認識や政策は異なっていない。むしろ相互補完している」と強調した。(西村利也)

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