母の日に花贈りたい子を寄付で支援 東京の生花店

花を贈りたい子からの応募はインターネット上の専用ページ(QRコード)で受け付ける 昨年の「母の日フラワードネーション」では約700人が母やお世話になった人に花を贈った (ローランズ提供)
花を贈りたい子からの応募はインターネット上の専用ページ(QRコード)で受け付ける 昨年の「母の日フラワードネーション」では約700人が母やお世話になった人に花を贈った (ローランズ提供)

「おかあさんやたいせつなひとへ、お花をおくりたいみんな」。東京のある生花店が、ホームページにこんな呼びかけ文を掲載している。

その生花店は東京・原宿などに展開する「ローランズ」。5月8日の母の日を前に、親やお世話になった人に花を贈りたいけれど、金銭的に余裕がないという子を募り、登録した希望先に無料で花を届ける「母の日フラワードネーション」を実施している。

「普段はとても忙しいお母さんたちにとって、お花が贈られる母の日は心がときめく記念日。そんなときめきを、すべてのお母さんが享受できるようになるとうれしい」と同社代表、福寿満希(ふくじゅ・みづき)さんは話す。

同社ホームページ内の申し込み欄に必要事項を書き入れて送信すると、カーネーションなど花が届くという。

花を贈りたい子からの応募はインターネット上の専用ページ(QRコード)で受け付ける
花を贈りたい子からの応募はインターネット上の専用ページ(QRコード)で受け付ける
QRコード 母の日フラワードネーション
QRコード 母の日フラワードネーション

贈る人、もらう人、支援する人

「排除なく、誰もが花咲く社会」を理念に掲げる同社は、従業員の約8割が障害や難病と向き合う当事者という社会貢献型の生花店だ。昨年からは併設のカフェを小学生の放課後の居場所にと活用を始め、学校帰りの児童に夕食とくつろぐ場所を提供している。

母の日フラワードネーションは昨年開始。カフェの利用者から「私には花を贈る母がいない。もし、お母さんに花を贈りたいのに、その余裕がないという子たちがいれば、支援したい」と寄付の申し出があったことが、きっかけとなった。

これを機に、同社オンラインサイトから母の日の花を購入した人が、追加で300~1500円を、母の日フラワードネーションに寄付できるように仕組みを作った。加えて、寄付のみ(3000円~)も受け付ける。それまで贈る人ともらう人が向き合うだけだった母の日に、新たに、支援する人も関わるようになった。

心を回復させる力

初回の昨年は約700人に花を贈った。ひとり親家庭や児童養護施設で育った子を支援する団体などから協力を得て、子から母、あるいは、お世話になった身近な大人たちに花を贈ったという。

花には人の心を回復させるような力がある、と福寿さんは言う。

昨年の「母の日フラワードネーション」で贈られたカーネーション(ローランズ提供)
昨年の「母の日フラワードネーション」で贈られたカーネーション(ローランズ提供)

「お花を受け取ったお母さんや団体から写真やお礼の言葉をいただき、それをまた支援者に伝えることで、心のつながりの輪が広がった。一輪の花を贈るだけで、言葉はなくても思いが伝わる。普段はなかなか言えない『ありがとう』を、花一輪で伝えてほしい」

花を贈りたい子からの応募は4月30日まで、全国どの地域からでも受け付ける。寄付も5月8日まで受け付けている。(津川綾子)

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