京都・南座の「歌舞伎鑑賞教室」7年ぶりに開催

「日本の伝統芸能の良さ、美しさをもっと知っていただきたい」と話す茂山逸平(左)と上村吉太朗(右)、中央の画面は片岡千壽=大阪市北区ⓒ松竹
「日本の伝統芸能の良さ、美しさをもっと知っていただきたい」と話す茂山逸平(左)と上村吉太朗(右)、中央の画面は片岡千壽=大阪市北区ⓒ松竹

歌舞伎をもっと身近に楽しんで-。京都市東山区の南座で5月12~18日、歌舞伎の初心者や若い人たちを対象に「歌舞伎鑑賞教室」を開催する。かつて関西の歌舞伎ファンを掘り起こしてきた公演の7年ぶりの再開で、上方の若くフレッシュな歌舞伎俳優、片岡千壽(40)と上村吉太朗(21)が出演して、親しみやすい演目を上演。テレビなどでも活躍中の狂言師、茂山逸平が解説を務める。「自分たちと同世代の方々に歌舞伎の楽しさをぜひ知っていただきたい」とメンバーは意気込む。

南座の「歌舞伎鑑賞教室」は平成5年にスタート。一般家庭出身で、当時30代だった上方歌舞伎の女形、上村吉弥が主演を任され、27年にいったん終了した。吉弥と同じく、歌舞伎界とは無縁の一般家庭出身の千壽と吉太朗を軸に、5月に復活することになった。

2人にとっても、伝統ある南座で大役に挑む舞台は大きなチャンスで、千壽は「夢のようです」と語り、「師(昨年亡くなった上方歌舞伎の人間国宝、片岡秀太郎)から受け継いだ上方歌舞伎役者としての心を大切に勤めたい」。吉太朗も「南座は部屋子披露をさせていただいた劇場。身が引き締まる思いがします」と緊張の面持ちで語る。

これまで多くの舞台で共演してきた2人。互いの印象を、千壽は「吉太朗さんは熱心で達者。上方歌舞伎の同志という気持ち」。吉太朗は「自分自身、千壽さんのまねをしながら演じることもあれば、千壽さんならどうするだろうと想像しながら演じることもある」と明かす。

2人が勤めるのは「吉野山」。歌舞伎の大作「義経千本桜」の中の舞踊劇で、桜満開の吉野山を舞台に源義経を追って旅する愛妾(あいしょう)、静御前(千壽)と、そのお供で義経の家臣、佐藤忠信(吉太朗)の姿を描く。

忠信は子狐が人間に化けた姿。静御前が義経から預かった初音(はつね)の鼓の皮になった親狐を慕って追い続けていたのだった。狐の化身が登場する一種のファンタジーの中に、忠信と静御前の華やかな踊り、忠信が見せる勇壮な戦物語など、変化に富んだ舞台となる。

「今回は音楽が竹本(義太夫節)ですので古風な感じが出せれば」と千壽。片岡愛之助からは「静と忠信は主従関係。恋人同士ではないことを忘れずに」と教えられたという。

また「歌舞伎のいろは」と題する解説を担当する逸平は「歌舞伎の公演に自分が出演するのは不思議な感覚ですが、歌舞伎と狂言との違いや似たところなどもお話しできれば」と抱負を語った。

全席指定で3500円。問い合わせはチケットホン松竹(0570・000・489)。(亀岡典子)

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