久住昌之氏原作の人気漫画「孤独のグルメ」に、主人公・井之頭五郎が商談で大阪を訪れるエピソードがある。井之頭は派手な立体看板が並ぶ新世界で「この街では何もかもが過剰すぎる。大阪ってこんな街だっけ?」と戸惑いつつ「でもなんかみんな…楽しそうだな」と胸中でつぶやく。
もし井之頭が、今のJR新今宮駅(大阪市浪速区)のホームに立ったならば、きっと同じようにつぶやくのではないか。同駅北側に22日、開業した星野リゾートの都市観光ホテル「OMO7(おもせぶん)大阪」(14階建て、436室)で駅前の景色は大きく変わった。
3年前の着工までは、フェンスに囲まれた約1万4千平方メートルの閑散とした空き地が広がっていた。今はなだらかな丘のような約7600平方メートルの芝生広場となり、敷地の北奥に白を基調としたホテルが建つ。日中は宿泊者以外も広場を利用できるため、晴れた日なら広場を散策する人や、テラスでビールを楽しむ姿もホームから見えるだろう。