伊藤沙恵女流名人(28)の就位式・祝賀会が4月15日、東京都港区内で行われ、出席した関係者が伊藤女流名人の誕生を喜んだ。
伊藤女流名人は1~2月に行われた第48期女流名人戦五番勝負で、女流名人13連覇を目指した里見香奈女流四冠(30)=女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花=に3勝1敗で勝利し、史上最多となる9度目の挑戦で悲願の初タイトルを獲得した。
就位式では、伊藤女流名人に就位状や女流名人盾などが贈られた。
続いて行われた祝賀会で、伊藤女流名人の師匠である屋敷伸之九段(50)が祝辞に立った。屋敷九段は「女流棋士になって順調に見えた。しかし、タイトルに近づくものの取れない日々が続いて大変だったと思う」と、弟子を気遣った。その上で、「(この日の就位式は)素晴らしい晴れの舞台。感情の赴くままに、泣きたくなったら泣き、笑いたくなったら笑って、思うままに一日を過ごしてください」と祝福した。
最後に謝辞に立った伊藤女流名人は「タイトル挑戦を8度重ねてきましたが、このまま女流タイトルに縁のない人生なのかな、と思うときもありました。今回は『これが最後かも』という思いで臨み、その強い思いが形になったことを非常にうれしく思っています」と時折、声を震わせながら語った。