平成の時代とともに大きく普及し、今や生活に欠かせなくなったインターネット。グーグルやアマゾン、アップルなどの米国の巨大IT企業がデータを寡占する現状への懸念が増す中、新たなインターネットの秩序を考え直そうとする動きが出ている。「Web(ウェブ)3・0(スリー)」はそうした新しいインターネットの姿を表す言葉だ。
■暗号技術でPCつなぐ
「3・0」という数字は、ソフトウエアの機能追加や改修が実施されるたびに「バージョン2・0」「3・0」と数えられるIT用語の慣習にならったもので、インターネットは普及から30年以上が経過し、第3段階を迎えていると考えられていることに由来する。ウェブ3・0は、暗号技術を使いながら個人同士のコンピューターをつなぎ、お互いにデータを分散させて管理するネットワークの仕組みだ。
インターネットは軍事目的で開発された通信技術を転用し、1990年代に一般利用が始まった。初期のインターネットは特定の企業や個人が作成したウェブページを閲覧するのみで情報は一方通行。利用者同士の交流も電子メールなどで文章をやり取りする簡単なものだった。