トルコ大統領、サウジ訪問へ 関係改善を象徴

トルコのエルドアン大統領(AP)
トルコのエルドアン大統領(AP)

【カイロ=佐藤貴生】トルコのエルドアン大統領は28日、サウジアラビアを訪問する見通しだ。トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で反体制サウジ人記者の殺害事件が起きた2018年から両国関係は冷え込んでおり、訪問が実現すれば関係改善を象徴するものとなる。

ロイター通信は26日、複数のトルコ政府高官の話として、エルドアン氏がサウジを訪問して同国の実力者、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談すると報じた。高官は経済や投資、地域の問題や二国間関係などを幅広く話し合うとの見通しを示した。

米紙への寄稿で皇太子を批判していた米国在住のサウジ人記者、ジャマル・カショギ氏は18年10月初め、イスタンブールのサウジ総領事館に入ったのを最後に行方不明になった。サウジ当局は後に「計画的殺人」だったと認め、20年に8人を有罪とする「最終判決」を出して幕引きを図った。皇太子や側近は罪に問われなかった。

エルドアン氏は、殺害はサウジ政府の「最高レベル」から命令されたものだなどと非難してきた。しかし、事件を審理してきたイスタンブールの裁判所は今月、公判を中断して審理をサウジに移管する決定を下し、両国政府の和解の兆しとの見方が出ていた。

エルドアン政権はイスラム原理主義組織、ムスリム同胞団を擁護してエジプトやアラブ首長国連邦(UAE)と対立してきたが、ここにきて両国との関係改善にも動いている。インフレが深刻化して支持率にも陰りがみえるなか、石油大国サウジとの関係を改善して経済好転に生かす狙いがありそうだ。

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