知床観光船事故 「地域の宝」28歳の取締役 ウイスキー製造、夢破れ

北海道・知床半島沖を捜索する海上保安庁の巡視船=28日午後3時44分(共同通信社ヘリから)
北海道・知床半島沖を捜索する海上保安庁の巡視船=28日午後3時44分(共同通信社ヘリから)

北海道・知床半島沖の観光船事故で亡くなった福島県会津若松市の小池駿介さん(28)は、同県や新潟県などでスーパーを展開する地元企業「リオン・ドールコーポレーション」の創業一家に生まれた。「地域の宝を失った」。知人らによると、親子の夢とされるウイスキー製造事業に取り組み、結婚も控えていたという。

サッカーに打ち込んだ会津高校時代。同級生は「明るくて社交的だった」と振り返る。慶応大に進み英国留学も経験した。友人は「目的意識を持った努力家」と語る。東京の人材サービス会社勤務を経て、リオン社の一員となり故郷に帰った。地元財界では「偉ぶらない好青年」「社員への人当たりがよい」と評価されていた。財界の重鎮の一人は「多様な経験を積んで戻ってきてくれたのに…」と言葉を失った。

リオン社は子会社化した福島県磐梯町の酒造会社でウイスキー製造を目指しており、小池さんが重要な役割を担っていたという。関係者は「地元の水を生かした製造は現社長の夢。息子の駿介さんに委ねたかったようだ」と語る。一家を知る人物は「結婚を控えていたと聞く。跡を継ぐ愛息を失い、ご両親はショックだろう」と話した。

会員限定記事会員サービス詳細