地上波で見たい佐々木朗、有料化が進むスポーツ中継

4月10日のオリックス戦で完全試合を達成したロッテの佐々木朗希。その試合は地上波での中継がなかった=ZOZOマリンスタジアム(田村亮介撮影)
4月10日のオリックス戦で完全試合を達成したロッテの佐々木朗希。その試合は地上波での中継がなかった=ZOZOマリンスタジアム(田村亮介撮影)

4月10日、プロ野球ロッテの佐々木朗希(ろうき)投手(20)が千葉市のZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦で史上16人目の完全試合を達成した。平成6年に巨人の槙原寛己が達成して以来28年ぶりの快挙。完全試合の興奮を初めて味わう野球ファンも多かっただろう。

ただ、この試合はテレビの地上波中継がなかった。有料映像配信サービスDAZN(ダゾーン)のライブ配信では、プロ野球コンテンツで歴代最高の視聴数を記録したという。試合序盤から奪三振ショーを演じ、大記録への期待が高まっていったことも視聴数が大きく伸びた一因だろう。

こうした反響を受け、完全試合の次の登板となった17日の日本ハム戦はテレビ東京とBSテレ東が急遽(きゅうきょ)、生中継を決定し、より多くのファンが試合を視聴することができた。テレビ東京の石川一郎社長は「素晴らしい選手が現れた。スター選手が生まれると、リーグが活気づくし、プロスポーツの価値が上がると思う」と歓迎のコメントをした。

かつてプロ野球は「ドル箱」とされた巨人戦の地上波中継が当たり前だったが、近年は有料チャンネルでしか視聴できない試合も多くなった。プロ野球に限った話ではない。3月24日、サッカー日本代表がワールドカップ(W杯)カタール大会出場を決めたアウェーのオーストラリア戦もDAZNのみで配信された。サッカー代表戦は高視聴率が期待できるコンテンツだが、放映権料の高騰化により、テレビ局が断念せざるを得なかった形だ。

欧米ではスポーツ中継は衛星放送や有料チャンネルで楽しむのが一般的であり、日本でも娯楽やライフスタイルの多様化が進む中、有料チャンネルでの視聴は時代の流れでもある。

ただ、有料チャンネルという選択肢を持っていない子供も多く、地上波の中継が減れば、人気の低迷にもつながりかねない。スポーツ中継もビジネスではあるが、「令和の怪物」と呼ばれる佐々木朗のようなスター選手の雄姿を多くのファンが無料で視聴できる文化は維持していってほしい。(丸山和郎)

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