大阪市淀川区の建物2階の一室で、階下の弁当店で勤務するベトナム国籍の女性(31)が殺害された事件で、強盗殺人容疑などで逮捕された山口利家(としや)容疑者(59)が、「マスター(弁当店主)から言われてるから、貴重品を持って2階に上がってきてくれ」と女性を誘い出していたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。
大阪府警は男性店主の出勤前に1人で開店準備をしていた女性を虚偽の理由でおびき出し、金銭目的で襲ったとみている。大阪地検は同日、強盗殺人と死体遺棄の罪で起訴した。
起訴状によると、山口被告は3日午前、弁当店アルバイトのヴォ・ティ・レ・クインさんを自室に誘い、金を無心したが抵抗されたため首を絞めて殺害、現金約2万6千円を奪うなどしたとしている。
捜査関係者によると、山口被告は「殺害後、財布から金を取って酒を買った」と供述。スーパーなどでチューハイを複数本購入しており、自室からは空き缶や外国紙幣だけが残ったヴォさんの財布が見つかった。
山口被告はトラック運転手だったが、「給料が下がって家賃を滞納していた」と供述。府警は生活苦から犯行に及んだとみている。