明治・大正期の文豪として名をなし、陸軍軍医総監など軍医としてもトップに上り詰めた森鷗外(本名・林太郎、1862~1922)。没後100年の今年、改めてスポットが当たるなか、医師で作家の海堂尊(かいどうたける)さん(60)が「令和の世に鷗外を学ぶ初学者のための決定版にしたい」と評伝「森鷗外 よみがえる天才8」(ちくまプリマー新書)を刊行した。
海堂さんは今年2月に細菌学者、北里柴三郎と鷗外の衛生行政などをめぐる確執を描いた小説「奏鳴曲 北里と鷗外」を出版。その執筆に際して、北里、鷗外の生涯を追うなかで2人の評伝執筆が決まり、3月に「北里柴三郎 よみがえる天才7」(同)、4月に鷗外評伝の刊行となった。