【ソウル=時吉達也】韓国のJTBCテレビは26日、5月9日に任期満了を迎える文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「退任前最後」となるインタビューを放映した。文氏は「安倍(晋三)政権で日本の右傾化が進み、韓日関係が悪化したのは明らかだ」と述べ、対日関係が悪化した原因は日本側にあるとの見方を示した。
文氏は1998年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相(いずれも当時)が署名した日韓パートナーシップ宣言に言及し「韓国の歴代政権の立場は当時と変わっていないが、日本はどんどん右傾化した」と主張。尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期政権下でも対日関係の改善は「楽観できない」と述べた。安倍元首相については「会えば礼儀正しい普通の日本人」と述べた上で、「リーダーシップについては評価したくない」と言葉を濁した。
北朝鮮問題では「2017年当時の朝鮮半島の戦争危機を解消し、対話と外交の局面に転換させた」と業績を誇示。自身やトランプ米前大統領が「正当な評価を受けなければいけない」と訴えた。
3回の首脳会談を行った北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記については「評価をするのに適切な時期でない」と述べるにとどめた。一方、北朝鮮への「先制攻撃」に言及した尹氏は「国家指導者として適切でない」と批判した。