「困った人を助けたい」 ウクライナ出身女性、茨城の避難民受け入れ協力

針谷力市長(右)からの協力依頼書を手にする山形ナタリアさん=今月19日、古河市役所(谷島英里子撮影)
針谷力市長(右)からの協力依頼書を手にする山形ナタリアさん=今月19日、古河市役所(谷島英里子撮影)

ロシア軍による侵攻が続くウクライナからの避難民の受け入れに備え、古河市は、ウクライナ出身で市内の薬局事務員、山形ナタリアさん(45)の協力を得ることになった。いまのところ受け入れ要請はきていないが、今後、受け入れる場合、日本語、ウクライナ語、ロシア語の3カ国語を話せる山形さんが支援員として通訳や生活相談に応じるという。

「困った人を助けたい。それだけです」

19日に行われた市からの協力依頼の場で、山形さんはこう話した。自分自身が初めて日本に来たときに、分からないことや困ったことが多かった経験から、今回、みずから避難民の支援を市へ申し出た。

ウクライナの医療機関で看護師の経験を持つ。平成18年に初来日し、27年に日本の男性と結婚。古河市に隣接する栃木県小山市に住む。現在は夫が経営する古河市内の薬局に事務員として勤務している。そのため、避難民が生活を始める際の通訳のほかに、医薬品の相談や病院を受診する際のサポートにも応じられるという。

既に、市販品の消毒液や胃腸薬などをそろえ、効能や使い方をウクライナ語に訳した救急箱を準備した。

山形さんは「毎日ウクライナのことを心配している」と語る。故国に住む父親は無事だが、毎日連絡を取り合っているという。

市からの協力依頼の場に立ち会った報道陣から、ロシア軍の侵攻について聞かれた山形さんは、こう答えた。

「ウクライナとロシアのどちらが悪いのか、正直、分からない。本当に分からない」

その上で「今は困った人のことを考えて、助けたい」と力を込めた。

古河市の針谷力市長は「避難者のサポートで課題となるのが言葉の壁だ。山形さんの申し出が、避難民の受け入れを表明する後押しになった」と感謝の言葉を述べた。

出入国在留管理庁によると、県内在住のウクライナ人は昨年6月時点で42人。古河市にはいない。

市によると、これまでに市への受け入れ要請はないが、市営住宅や生活必需品の提供を表明している。

同庁によると、今月24日までに入国したウクライナからの避難民は719人。一方で全国の自治体や企業からの支援の申し出は25日時点で1313件に上り、同庁が本人の意向を踏まえ支援先と仲介している。(谷島英里子)

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