大人流素敵!の見つけ方

(201)思いを継ぐフリルシャツ

ナオカケルのシャツ「Nami」
ナオカケルのシャツ「Nami」

中島ナオさんというデザイナーさんがいました。乳がん患者の彼女は、抗がん剤の影響で頭髪が抜ければ素敵な帽子を作り、どんな時もおしゃれを楽しみました。

「Nami(なみ)」と名付けられたのシャツもそう。体調の影響で、下着がつけられない日の通院。おしゃれは忘れたくないし、胸のラインが服に響かないようにもしたい。

そんな願いをかなえようと、ボリュームたっぷりに胸にフリルをあしらったシャツやTシャツなどを製作。袖が太めに作られているのは、点滴治療がしやすいように。留めるのが煩わしいシャツの前ボタンは数を減らして。一連の服は、「Canae(かなえ)」と名付けられました。

ナオさんが手掛けた帽子やシャツは病の有無に関係なく愛用されています。

例えば「Nami」を着ればブラジャーを着けずに家で過ごしていても、躊躇なく玄関を開け、宅配便を受け取れます。フリルにボリューム感があることで、大人っぽい雰囲気に着こなせます。

昨年4月、ナオさんは38歳で天国に旅立たれました。「病気の人、そうでない人、関係なく、おしゃれを楽しんでもらえるものになり、ナオも作ってよかったと言っていました」と、ナオさんのブランド「ナオカケル」を受け継いだ母、加藤ゆう子さん。

がんは人の命を奪うこともある。けれど美しさは奪わない。がんになっても大丈夫といえる社会になれば-その思いは、受け継がれています。(スタイリスト 石田純子)

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