大阪市西成区で昨年6月、民家2棟が崖下に崩落した事故で、市は、崩落したのり面の安全対策工事を市の負担で実施する方針を固めた。関係者が27日、明らかにした。当初、用地交渉や費用負担を巡り土地所有者側と折り合いが付かなかったが、所有者側が土地を市に寄付し、市が工事費の請求をしない方向で和解する見通しとなった。
崩落は昨年6月25日午前に発生。2棟4軒が相次いで数メートル下に落ちたが、けが人はいなかった。市は7月6日に崖の上に残っていた民家1軒を撤去し、現場の応急工事を実施したが、隣接する市道が崩落する危険があった。
市によると、市は今年2月に土地所有者らにのり面の対策工事を認めるよう大阪地裁に仮処分を申し立てた。4月に地裁が和解勧告し、双方が折り合えるめどが付いた。和解は5月議会での承認後に成立する見通し。