ロンドンの甃

露軍利用の鉄道狙うハッカー集団 〝戦闘状態〟女性の素顔

オンライン取材に応じるベラルーシ反体制ハッカー集団のユリアナ・シェメトヴェッツ氏
オンライン取材に応じるベラルーシ反体制ハッカー集団のユリアナ・シェメトヴェッツ氏

ベラルーシの反体制ハッカー集団の女性に今月、オンラインでインタビューする機会があった。ウクライナに侵攻中のロシア軍が部隊の輸送などに用いるベラルーシ国内の鉄道運行システムにサイバー攻撃を仕掛けている集団だと聞き、やや緊張して取材に臨んだ。知り合いの専門家からは「サイバー空間で戦闘状態にあるハッカー集団は常に神経をとがらせている。質問の内容次第では、取材を打ち切られるだろう」と聞いていた。

しかし、取材は拍子抜けするほど和やかな雰囲気で進んだ。女性は絶えず柔和な表情で、鉄道へのハッキングを開始した時期などを丁寧に教えてくれた。

聞けば、ベラルーシ生まれのその女性は、普段は米国で大学院生をしているという。昨年、知人の誘いで同集団に参加し、勉学の傍ら広報担当者としての業務を行っているらしい。「最初は怖くて断ったが、活動の意義を感じて参加を決めた」と笑顔を見せた。

女性が取材中、私に何度も強調したのは「サイバー攻撃で一般市民に迷惑をかけない」ということだった。同集団は鉄道運行システムを狙う際、一般市民が乗った列車が事故を起こさないように、慎重に攻撃を仕掛けていたそうだ。大規模な「サイバー戦争」の裏でさまざまな試行錯誤があることを実感させられた。(板東和正)

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