日本対がん協会(垣添忠生会長、東京)は27日、新型コロナウイルスが流行した令和2年度はがんの検診を受ける60歳以上の人が2~3割程度も減っていたとの調査結果を公表した。流行が本格化する前の元年度と比べた。年齢が高いほどなりやすい胃がん、肺がん、大腸がんでそうした傾向が強かった。がんの発見数も減っていた。
協会の担当者は「高齢者はコロナ感染時のリスクも高く、〝密〟になるのを心配して集団検診を控えたのではないか」と分析。がん検診を受けずにいると発病や病状の進行を見逃す恐れもあるので「本年度は受けてほしい」と呼びかけている。
がん検診数は、65~69歳では乳がんが元年度の約72%、胃がんと肺がん、子宮頸(けい)がんが約73%、大腸がんは約78%。同様に60~64歳も約77~84%と、60歳以上の減少が目立った。全年齢の5つのがん検診数も元年度の約82%にとどまった。