首相会見詳報

(1)ガソリン基準価格168円に引き下げ

会見する岸田文雄首相=26日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
会見する岸田文雄首相=26日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相は26日、首相官邸で記者会見し、ロシアのウクライナ侵攻を受けた経済対策などを発表した。詳報は以下の通り。

「まず会見に先立ち、23日に北海道知床沖で発生した観光船の事故で亡くなられた方々に対し、心より哀悼の意を表するともに、ご家族の方々にお悔やみを申し上げます。依然、15人の行方が分かっていないことから、引き続き関係省庁において全力をあげて捜索救助活動に取り組んでまいります。また今回、事故を起こした事業者への特別監査に加え、昨日より、全国の運輸局において、旅客船事業者に対する緊急安全点検を一斉に実施しており、安全安心の確保に努めてまいります」

「そして先ほど、原油価格物価高騰等総合緊急対策を決定いたしました。本日は、この対策を中心に、現下の状況を踏まえた経済運営についてお話をいたします」

「新型コロナウイルスによる国民生活や経済への影響が続く中、ロシアによるウクライナ侵略などの影響により、世界規模で不確実性が高まり、原油や穀物の国際価格の上昇、一部の水産物や原材料などの安定供給の滞りなど、国民生活に不安が生じています。先月、東京・豊洲でお話を伺った食品関連産業の皆さん。今月、訪問した新潟県燕三条の中小ものづくり企業の皆さん。また石川県でお会いした農家や主婦の方々、皆さん。原油価格や食材価格の上昇に苦しみながらも、どうにかこの局面を打開しようと必死に取り組んでおられました」

「原油価格や物価の高騰が、コロナ禍からの社会経済活動の回復の妨げになることは何としても防がなければなりません。これまでも、昨年11月の経済対策において、エネルギー高騰対策。(今年)3月には原油価格高騰に対する緊急対策を取りまとめ、迅速に実施をしてきました。他方、ウクライナ情勢やこれに伴う原油原材料穀物などの価格の高騰、物流の不安定化は予断を許さず、引き続き中長期的な視野を持ちつつ、先手先手で対応を進めていく必要があります」

「こうした考えのもと、私は2段階のアプローチで、万全の経済財政運営を行ってまいります」

「第1段階は本日決定した事業規模13兆円の総合緊急対策です。ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に、緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため、今月中に一般予備費、コロナ予備費の使用を閣議決定し、速やかに実施に移し、皆さまのお手元に各種支援策を届けしてまいります」

「その上で、第2段階として、6月までに、新しい資本主義のビジョンと実行計画、骨太方針2022を取りまとめます。今年の夏の参院選後にこれらを前に進めるための総合的な方策を具体化し、エネルギー分野も含め経済社会の構造変化を日本がリードして参ります」

「さらに、第2段階までの間、新型コロナウイルス感染症の再拡大や、ウクライナ情勢の長期化に伴う原油価格、物価のさらなる高騰の可能性など状況は油断を許しません。こうした不透明な情勢に伴う予期せぬ財政需要にも迅速に対応し国民の安心を確保していく必要があります。このため今回の総合緊急対策の一環として、5兆円の新型コロナウイルス感染症および原油価格、物価高騰対策予備費などの確保や6月以降の燃料油価格の激変緩和事業を内容とする補正予算を今国会に提出、成立を図り、いかなる事態が生じても国民生活を守り抜けるよう、万全の備えをとります」

「それでは、本日決定した総合緊急対策についてご説明いたします。対策の柱は4つです」

「第1に原油価格の高騰への対応です。燃料油の価格対策については、4月までの間1リットル当たり25円の範囲で補填(ほてん)して、レギュラーガソリン価格を172円程度に抑えてきました。今般、(自民、公明、国民民主)3党の検討チームの結論を踏まえ、これまでの激変緩和措置を強化して、5カ月分で約1・5兆円規模の新たな補助制度を設けます。新制度では、基準価格を当面168円に引き下げるとともに、燃料油価格のさらなる高騰にも対応できるよう、補填の上限を35円に引き上げます。これによって、仮にガソリン価格が200円を超える事態になっても、市中のガソリンスタンドでの価格は当面168円程度の水準に抑制します」

「さらに、万一、国際原油市場価格が例えば1バレル150ドルといった前例のない水準まで高騰し、35円を超えて補填が必要になった場合にも、価格上昇分の2分の1を支援して、国内価格の上昇を抑制いたします。そして対象油種は、ガソリン、軽油、重油、灯油に加えて航空機燃料も対象といたします。さらには、タクシー用LPガスにも同様に支援をいたします。このほか運輸、農林漁業、生活衛生関係営業など影響が大きい業種への支援を進めます」

=(2)に続く


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