オフィスビルのゴミ、ペットボトルや紙コップ削減 不動産業界で実証実験進む

東京建物のオフィスビルに設置されたマイボトルの自動洗浄機=18日、東京都中央区(飯嶋彩希撮影)
東京建物のオフィスビルに設置されたマイボトルの自動洗浄機=18日、東京都中央区(飯嶋彩希撮影)

オフィスビルで廃棄されるペットボトルや紙コップを削減しようという試みが不動産業界で広がっている。各社は飲料メーカーなどと協力して実証実験を行っており、資源循環や廃棄物削減のモデルを確立したい考えだ。

不動産大手の東京建物は今月18日から、魔法瓶メーカーのサーモスやパナソニックなど4社と紙コップの削減を目指す実証実験を開始した。自宅から水筒を持参する「マイボトル」を継続しやすい環境を整えることで、コーヒーマシン利用時に使う紙コップの削減を目指す。

実証実験は東京建物の本社オフィス(東京都中央区)で社員約300人を対象に進めている。マイボトルの利用は使用後の洗浄の手間がハードルになっており、パナソニックが開発したマイボトル専用自動洗浄機を導入した。実験は5月20日までで、終了後は所有する他物件での展開を予定している。

都心のオフィスビルで資源ゴミの排出を削減するには、家庭では一般的になっているペットボトルの分別を促すことも課題となる。多くの企業が入居するオフィスビルでは、家庭とは違って排出者としての意識が希薄になりがちだという。

住友不動産の賃貸オフィスビル内に設置されたペットボトルのゴミ箱。前面にキャップや包装ラベルを捨てるケースが備えられ、分別を促す=東京都新宿区(同社提供)
住友不動産の賃貸オフィスビル内に設置されたペットボトルのゴミ箱。前面にキャップや包装ラベルを捨てるケースが備えられ、分別を促す=東京都新宿区(同社提供)

住友不動産はサントリー食品インターナショナルと共同で、3月から賃貸オフィスビル3棟(同新宿区)でペットボトルのリサイクルを進めている。ペットボトルは使用済み製品を原料にしてペットボトルに作り替える「水平リサイクル」ができる。両社はビルで回収したペットボトルをペットボトルに再生し、再生ペットボトルを使った飲料をビル内のコンビニエンスストアなどで販売している。

水平リサイクルを行うには、ラベルやキャップを取り除く分別が欠かせない。ペットボトル内に飲み残しなど不純物が混ざっていても再生できない。このため、分別を行った利用者に対し、オフィス内のコンビニで再生ペットボトルを使った飲料をプレゼントするなど分別の啓発も行っている。

リサイクルを進めている3棟のオフィスビルでは年間計約140トンのペットボトルが排出される。住友不動産が手掛ける都心オフィスビル全体では年間1000トンを超えており、人口40万人規模の自治体の年間排出量に匹敵するという。同社の担当者は「オフィスから出るペットボトルは家庭ゴミと違い、分別が進んでいない。分別すれば半永久的に資源として循環すると意識するきっかけになれば」と話す。

森ビルは日本コカ・コーラなどと共同で、昨年11月から今年2月末まで、運営する六本木ヒルズ(同港区)で回収したペットボトルを飲料用ペットボトルとして再生する実証実験を行った。同社では現在、実験結果を精査しており、今後は他のオフィスビルでもペットボトル排出削減の取り組みができるよう検討している。

(飯嶋彩希)

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