「メイストーム」で捜索難航の恐れも 知床観光船事故

北海道・知床岬先端付近の磯場を捜索する人たち=26日午前9時45分(共同通信社ヘリから)
北海道・知床岬先端付近の磯場を捜索する人たち=26日午前9時45分(共同通信社ヘリから)

観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」が消息を絶った北海道・知床半島沖では27日に荒天が予想され、捜索が難航する恐れがある。「春の嵐」「メイストーム(5月の嵐)」と呼ばれる台風並みの暴風が周辺海域を襲う可能性も指摘されており、2次被害を防ぐため、厳重な警戒の下での捜索活動が必要となる。

網走地方気象台によると、捜索の拠点となっている斜里町や周辺海域は27日、平均風速毎秒15~20メートルの強い風が予想される。地上では人が転倒するほどの風速となるため、気象台の担当者は「強風注意報を発令することになるだろう。警戒してほしい」と話す。

ウェザーマップ所属の気象予報士、杉江勇次さんが懸念するのはメイストームの発生だ。北から入り込む冷気と南からの暖気がぶつかって低気圧が急速に発達する、とりわけ春に生じやすい現象で、北海道では27~28日にかけて荒天が予想されるという。

杉江さんは「台風並みの暴風が吹き、海上では3メートルを超える高波となる恐れもある。行方不明の人たちの捜索が急がれるが、気象状況に注意しながら、二次被害が出ないよう進めてほしい」と呼びかけた。

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