上皇ご夫妻、赤坂の「仙洞御所」にご入居

赤坂御用地に入られる上皇ご夫妻=26日午後5時23分、東京都港区(代表撮影)
赤坂御用地に入られる上皇ご夫妻=26日午後5時23分、東京都港区(代表撮影)

上皇ご夫妻は26日、赤坂御用地(東京都港区)の「仙洞(せんとう)御所」に入られた。ご夫妻は上皇さまの譲位に伴い、皇居の御所を天皇ご一家に譲るため、令和2年3月から高輪皇族邸(同区・旧仙洞仮御所)に仮住まいされていたが、代替わりに伴う一連の引っ越しがこれで完了した。

ご夫妻は26日午後、引っ越し業者による荷物搬送の間、2週間ほど滞在していた葉山御用邸(神奈川県葉山町)をご出発。午後5時25分ごろ、赤坂御用地の正門を入る際には、車の窓を開け、沿道の人に会釈をして応じられた。

ご夫妻の新たなお住まいは、天皇ご一家が昨年9月まで住まわれていた旧赤坂御所を改修。今年3月に居住部分の工事が完了して入居可能となったが、新型コロナウイルス禍で一部の工事が遅れており、6月ごろまで続く見通し。お住まいの名称はご夫妻のご入居に伴って「仙洞御所」に変更された。

譲位から3年、思い出の地に

上皇ご夫妻のお住まいとなる仙洞御所は、ご夫妻が結婚間もない時期から、30年以上にわたり住まわれた思い出深い場所だ。内部は高齢となられたご夫妻の負担に配慮し、新たにエレベーターなどを設置。上皇さまの譲位から丸3年を前に一連のお引っ越しを終え、側近は、「思い出をひもときながら、お健やかに、充実した生活をされるようお支えしたい」としている。

仙洞御所は、ご夫妻の結婚後のお住まいとして昭和35年に竣工。同年6月の入居以降、上皇さまのご即位を経て、平成5年12月に皇居の御所に移るまで、子育てや、皇太子同妃として国内外の要人の接遇にも臨まれた。建物はその後、天皇ご一家のお住まいとして改修を重ねているが、「さまざまな思い出が詰まっている」(側近)という。

ご夫妻がお住まいになる私室部分には、エレベーター1基のほか、スロープや手すりを各所に設置。浴室の段差もなくし、米寿を迎えた上皇さま、87歳の上皇后さまの今後のご生活に支障がないよう、バリアフリー化した。医療体制充実のため、側近の職員らが控える事務部分も拡張。庭にはユウスゲなどご夫妻ゆかりの草花を皇居から移し、すでにヤマツツジ、ニリンソウなどが花を咲かせる。

上皇さまは仮住まい先にいる間も、週に2回ほど皇居内の生物学研究所に通い、ハゼの研究を続けられてきた。お住まいでも研究ができるよう、仙洞御所には専用の部屋が設けられ、水槽も運び込まれた。

一方、多くの標本や資料、オンライン会議の設備などがある生物学研究所には、今後も通われる見通しだ。ご研究を支える関係者は「体力維持の観点からも、今のご生活のペースをできる限り変えずに過ごしていただくのがいいのではないか」と話している。

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