夏の参院選を前に、野党の足並みがそろっていない。平成28年、令和元年の参院選では、全国に32ある改選数1の1人区で野党候補を一本化したが、今回は1人区での野党候補の競合が目立つ。自民党の野党分断工作が奏功している面もあるが、そもそも野党の中で一本化の実現に向けた機運が乏しい。今回の参院選はなぜ、こうも野党が分断しているのか。
国民民主党の玉木雄一郎代表は産経新聞が3月に行ったインタビューの中で、「野党候補一本化の必要性を否定はしないが、日本維新の会を含めた野党の全体像が見えない。そんな中でわれわれのような野党第3党が不用意に候補者調整にかかわっても、得るものはない」と話している。
同様のことは、国民民主の他の幹部も異口同音に口にする。これはつまり、野党第1党たる立憲民主党が選挙戦略を十分に練られていないことの証左といえる。