イタリア58、中国56、ドイツ51…。2021年現在、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に登録された各国の世界遺産の数だ。日本では、1993年に「法隆寺地域の仏教建造物」と「姫路城」など4件が登録されて以来、計25件の文化遺産・自然遺産が登録されており、登録数では世界11位。今後の審査で、韓国が反対する「佐渡島の金山」が登録できるかどうかが注目されている。
一方、人口約2300万人、九州とほぼ同じ面積の台湾は現在、登録されている世界遺産は一つもない。中国の妨害によりユネスコに加盟できないため、登録申請する資格がないことがその理由だ。
十数年前から台湾の景勝地などを世界遺産に登録する活動を地道に展開してきた台北在住の会社経営者、辛正仁氏は「平和で幸せな世界をつくるため、人類の自然、文化的財産をみんなで守っていこうというのが世界遺産だ。それなのに台湾だけが排除されるのはおかしい」と話す。