知床観光船事故、GW前に影響懸念も…国交省は緊急安全点検実施

斉藤鉄夫国交相
斉藤鉄夫国交相

北海道・知床半島沖で観光船が遭難した事故で、斉藤鉄夫国土交通相は26日の閣議後記者会見で「乗客のご家族の気持ちに寄り添い、十分な情報提供に努める」と述べた。一方で、同省は25日から全国の旅客船事業者に対する緊急安全点検を開始。事業者からは、29日から始まる大型連休を前に悪影響を懸念する声も上がる。

「同じサイズの観光船を運航しているので、スタッフ一同ショックを受けている」

道内で観光船を営む会社の担当者は、最悪の状況を迎えた知床の事故に動揺を隠せない様子だ。運航する海域は異なるが、当日の23日は海が荒れていたことから港内遊覧に切り替えた。普段から安全には万全を期しているものの、「今一度気を引き締め、安全管理を徹底したい」と語った。

斉藤国交相は会見で、遭難した観光船の運営会社に対する特別監査のほか、今回の事故と同じ20トン未満の小型旅客船などを運航する全国の事業者に対し、緊急の安全点検を実施していることを説明。大型連休までに集中的に進める方針で、安全管理規程の順守状況などを確認しているという。

「あのような事故を起こさないよう日々努力している」と話すのは、日本三景の松島周辺をめぐる観光船を営む松島島巡り観光船企業組合(宮城県松島町)の担当者だ。現時点で予約キャンセルなどの影響はないが、窓口を訪れた利用客から今回の事故を念頭に「ここの船は大丈夫か」などと聞かれたという。

切り立った断崖で有名な福井県坂井市の東尋坊を沖から一望できる東尋坊観光遊覧船の担当者は、予約済みの旅行会社から「運航規程がどうなっているのか教えてほしい」と問い合わせがあったことを明かす。今回の事故で不安を覚えているツアー参加者に説明するためだといい、担当者は「(現在の予約状況に)水を差しかねない」と心配している。(福田涼太郎)


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