外務省は26日、ロシアが不法占拠する北方領土の元島民の墓参を目的としたビザなし交流など北方四島交流事業について、今年度は当面見送ると発表した。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえた措置で、「心ならずも事業の実施を当面見送ることとした」と説明した。
四島交流事業は墓参のほか、患者の受け入れや専門家の交流も含む。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い過去2年間は中止に追い込まれていた。今年3月21日にはロシア外務省がウクライナ侵攻に伴う日本政府の対露経済制裁に反発し、一時停止を発表していた。
外務省は「ご高齢になられた元島民の方々の思いに何とか応えたいという政府の考えにはいささかも変わりはないが、現下のウクライナ情勢を受けた今この時の状況に鑑みれば、事業の展望について申し上げられる状況にはない」と説明。その上で「元島民の方々を始め、関係者の皆さまには何卒ご理解を賜れましたら幸いです」との談話を発表した。