海上事故は海保が捜査、原因究明と運航基準が焦点

北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ」を捜索する漁船団=25日午後0時39分
北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ」を捜索する漁船団=25日午後0時39分

北海道・知床半島沖のオホーツク海で起きた観光船の遭難事故。海上で起きた船舶事故などについては、司法警察職員として警察官と同様の権限を持つ海上保安官が捜査を進め、過失などが確認された場合、当事者の立件に踏み切る。通常の事件と同様に事件を検察庁に送致し地検が関係者らを起訴すれば、刑事裁判で審理されることになる。

捜査の焦点になるのが原因究明だ。船から浸水していると救助要請があったが、浸水は陸に近づきすぎて座礁したのか海流の影響だったのか、それともエンジンの故障か、操船ミスだったのか分かっていない。海難事故に詳しい田川俊一弁護士は「いずれにせよ、船が発見されれば、損傷カ所などから原因が判明する」とみている。

海上保安庁も、船が重要な「証拠」とみて水中音波探知機などを活用し発見を急ぐが、海保幹部は「たとえ未発見でも関係者からの聴取などから立件は可能だ」としている。

刑事処分には過失の有無が焦点となり、運航判断の妥当性も問われる。船の運航基準(マニュアル)は、運航会社などが自ら策定。国に提出しそれを順守するという形を取るという。《波の高さ2メートル以上は運航しない》《運航中に風速5メートル以上になれば、すぐに引き返す》などの細かい基準が一般的に記されている。

事故当時、現場の風速は約15メートルで、波の高さは2メートルを超えていたとみられる。事故を起こした19トン規模の小型船にとっては、荒れた海で、危険な状況だったとされる。海保幹部は「運航基準の確認も進めなければならない」とする。

海保は関係者らの業務上過失往来危険や業務上過失致死の容疑での立件も視野にこうした状況の捜査を進める。(松崎翼、根本和哉)

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