海底の形状複雑…船体発見困難に 乗客乗員は海流に

北海道・知床半島の岩場付近で、安否不明者を捜索する自衛隊のヘリコプター=25日午後0時32分
北海道・知床半島の岩場付近で、安否不明者を捜索する自衛隊のヘリコプター=25日午後0時32分

北海道・知床半島沖のオホーツク海で観光船が遭難した事故では、海上保安庁などの懸命の捜索にも関わらず、乗客乗員全員の発見には至っていない。現場は一番近い海保の航空基地からも距離があり、救助要請から現場到着まで3時間を超えた。船は沈没したとみられるが見つかっておらず、専門家は現場付近の海底の独特な形状が発見を難しくしている可能性を指摘する。

現場は知床半島先端の知床岬から西に進んだ「カシュニの滝」近くとみられ、一番近い海保の「釧路航空基地」から約160キロ離れている。事故当日は給油などを済ませたヘリが約3時間後、根室海上保安部の中型巡視船が約4時間半後に到着したが、間もなく日没となった。

海流で遠くに流されている可能性があるのも捜索を難しくしている。これまで知床岬の岩場付近で10人、知床岬先端の灯台から東側約14キロの沖で子供1人が発見された。海保などは範囲を広げ捜索を続ける。現場の海面水温は23日は2~3度だったとみられ、これまで発見された男女は死亡が確認された。

船外に脱出した人が海上や海中に漂流しているほかに、船内に取り残された人がいる可能性もある。

しかし、今回の事故では船体が見つかっていない。水難学会の斎藤秀俊会長によると、現場付近の海底は水深30メートル付近まではなだらかな傾斜が続くが、その先はすり鉢状の穴が多数存在し、100メートルほどの深さのところもあるなど複雑な形状となっているという。

海保は水中音波探知機(ソナー)などを使って船体が海底にないか調べているが、斎藤氏は「穴の中では音波が乱反射してしまう恐れもあり、穴を一つ一つ調べるには時間がかかる」と指摘。また、「発見できたとしても、100メートル近い深さであれば海保の特殊救難隊でも潜った例のない深さで、どうやって船内を調べるのかも課題となる」と話した。

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