世界の軍事支出 昨年初の2兆ドル超 中露も拡大

【ロンドン=板東和正】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は25日、2021年の世界の軍事支出(一部推計)が前年比0・7%増の2兆1130億ドル(約271兆円)となったと発表した。2兆ドルを超えたのは初めて。中国の軍事支出の拡大は世界最長の27年連続。ウクライナに侵攻したロシアも3年連続で軍事支出を積み増した。

多くの国は新型コロナウイルスへの対応を迫られる中でも軍事支出を増やし、1988年以降の最高額を更新した。上位5カ国は米国、中国、インド、英国、ロシアの順で、総額が全体の62%を占めた。

2位の中国は前年比4・7%増の推計2930億ドル。SIPRIは、中国が「航空宇宙や海事などの分野で軍民融合の戦略の強化を目指している」と指摘した。5位のロシアは前年比2・9%増の659億ドル。「石油や天然ガスを輸出して得た豊富な収入が軍事支出の拡大を後押しした」としている。

一方、1位の米国は前年比1・4%減の8010億ドル。ただ、軍事分野の研究開発費は2012年以降24%増加しており、SIPRIは「次世代技術の開発に集中しているようだ」との見方を示した。

9位の日本は前年比7・3%増の541億ドルで、年間の増加率としては1972年以降で最大となった。SIPRIは日本などの軍事支出の増加について「東・南シナ海周辺での中国の影響力の高まりが大きな要因になっている」とした。

ロシアの軍事侵攻を受けているウクライナは36位で推計59億ドル。前年比で8・5%減となったが、ロシアがウクライナ南部クリミア半島を併合した2014年からは72%増加している。

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