印からの輸送断念へ ウクライナ支援物資

閣議に臨む(左から)金子恭之総務相、斉藤鉄夫国交相、林芳正外務相、岸田文雄首相、野田聖子少子化担当相、金子原二郎農水相、岸信夫防衛相=22日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
閣議に臨む(左から)金子恭之総務相、斉藤鉄夫国交相、林芳正外務相、岸田文雄首相、野田聖子少子化担当相、金子原二郎農水相、岸信夫防衛相=22日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

政府がウクライナ避難民支援に関し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がインドに備蓄する物資の移送を断念する方向で検討に入ったことが25日、分かった。インド政府は自衛隊機による輸送を拒否したものの民間機の着陸は認めたが、チャーター機などによる輸送も見送る。UNHCRがアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに備蓄する物資は自衛隊機で輸送する。

政府はインド政府の自衛隊機受け入れ拒否を受け、インドのムンバイとドバイ以外からの輸送も検討した。しかし、UNHCRが支援物資を備蓄する拠点がある中国やパキスタン、ウズベキスタンは、いずれもウクライナに侵攻を続けるロシアとは一定の関係を保っている。このため自衛隊機の派遣は難しいと判断した。

政府は改めて自衛隊機派遣計画の作成を進めている。週内にも与党内手続きを経て、自衛隊機派遣の閣議決定を目指す。

自衛隊機派遣をめぐり、政府は4月下旬から6月末に週1回の計画でムンバイとドバイから自衛隊機でウクライナ隣国のポーランドやルーマニアに毛布を運ぶ方向で調整。22日に閣議決定を予定していたが、20日夜にインド政府が自衛隊機の受け入れを拒否し、政府は計画変更を余儀なくされた。

複数の関係者によると、事務レベルの調整でインド側は自衛隊機受け入れを認めたが、ロシアの反発を懸念したインド政府幹部が軍用機の使用に反対したという。

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