近江人巡り

IT・ソフト開発「シザナック」社長、大槻滋俊さん

大槻滋俊さん
大槻滋俊さん

「『ハイパーグラス水琴』には人の聞き取れない超高周波振動のスピーカーを内蔵しています。パワースポットの滝や川などでもそうだが音は耳からだけでなく、振動、皮膚からも入ってくる。水琴窟の音源を流し、家の中で気軽に水琴の音色を楽しんでほしい」

滋賀県彦根市在住のガラス工芸作家、竹川久仁子さん制作のハイパーグラス水琴(手前)
滋賀県彦根市在住のガラス工芸作家、竹川久仁子さん制作のハイパーグラス水琴(手前)

「デザインは地元滋賀のガラス工芸作家、竹川久仁子さんにお願いしました」

流れるように冗舌に語るのはIT・ソフト開発「シザナック」の社長、大槻滋俊さん(67)=大津市錦織。シザナックでは、冒頭のハイパーグラス水琴を始め、技術力を生かした魅力的な商品を数多く開発している。

「事業化を進めているのが『蝙蝠(こうもり)センサー』。コウモリの出す超音波を放射するセンサーで、反射音で物体の大きさ、距離、材質など多くの情報を集める。カメラ、レーザー、電波、赤外線など従来のものでは難しいものも検出できるので、高感度の見守りに適しています」

大津市で生まれ育ち、京都産業大学、マドリード大学(スペイン)を卒業後、大手電子部品メーカー「京セラ」に入社。米国で16年間勤務するなど営業の第一線で活躍した。だが、50代半ばで突然、開発部門に異動。「左遷されたんです」というが、新しい部署でも骨伝導のスマホや世界初の薄型スピーカーなどの開発に関わり、結果を出した。

平成30年に退職し、翌年、60~80代の元音響機器メーカー社員や大学名誉教授など技術者とともに5人でシザナックを創業した。創業メンバーは開発部門にいたころに業務を通じて知り合ったという。

開発した商品は、ほかにもアクリル板を挟んでも会話が明瞭で聞きやすい「接客会話アシストシステム」など実用的なものが多い。

「『年金受給者の反乱』ですね。みんな年だけど、会社などさまざまなものから解き放たれたときに何ができるか、と思ってやっている。今だからできることもある。才能を掘り起こしていきたい」

元気、はつらつ、生き生きしている。その源は明日を見つめるまなざしにあると実感した。(野瀬吉信)

ハイパーグラス水琴は4月28日まで、コラボしが21(大津市打出浜)で展示。展示の問い合わせは滋賀県産業支援プラザ(077・511・1411)か「シザナック」(大津市錦織2―9―17、077・507・9492)。

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