薄暗いイメージがある鉄道の高架下。そんな場所を活用し、貸家や大学キャンパス、野菜工場などを設置し、地域を開発する動きが鉄道各社で進んでいる。これまでも沿線人口減少による旅客収入の減少を補おうと開発を進めてきたが、コロナ禍でその動きが加速。遊休地を収益源へ変えようと知恵を絞っている。
「所さんの家」風
「何かできてるで」「これ、家とちゃうか?」
大阪府東大阪市にある近鉄奈良線の河内花園-東花園間の高架下。突如現れた黒い建物を見て、男児らが会話を交わしていた。
登場したのは、軽量鉄骨造2階建てのガレージハウス6棟12戸。近畿日本鉄道と近鉄不動産が、近鉄グループで初めて高架下を活用した賃貸物件として整備、4月から事業を始めた。
「K・BLOC HANAZONO(ケイ・ブロック花園)」と名付けたガレージハウスは、両駅からそれぞれ徒歩4~5分。1階のガレージは車やバイクを置く場所としての活用のほか、オフィスや工房などでも使える設計にした。2階はキッチンやトイレ、風呂を備えた住宅になる。