EV元年

㊥「最重要部品」電池争奪戦号砲

資源確保とリスク

レアメタルは産出量が少ないだけでなく、産出国にも偏りがあり、地政学リスクを伴う。コバルトはコンゴが主産地だが、中国が製錬ベースでシェア首位。ロシアはニッケルの生産量で1割のシェアを持つ。

「資源確保は、相手国政府の考え方が入ってくる。非常に難しい問題だ」。日本の電池産業の競争力向上を目指して昨年4月に発足した電池サプライチェーン協議会(BASC)の阿部功会長(住友金属鉱山常務執行役員)はこう指摘する。

中国はかつてハイブリッド車(HV)にも使われているレアアース(希土類)の事実上の対日禁輸措置をとったことがある。日本の司法当局が、海上保安庁の巡視船に体当たりしてきた中国漁船の船長の勾留延長を決めたときのことだ。ウクライナに軍事侵攻し、各国から経済制裁を科されているロシアに資源を依存することも、もちろんリスクになる。

資源だけでなく、材料分野でも日本勢の劣勢は否めない。電池の主要4部材である正極材、負極材、セパレーター(絶縁膜)、電解液はかつて日本企業が世界シェア上位を占めていたが、現在は中国勢が席巻する。自国産の原料を調達でき、コスト競争力で優位に立つ。車載電池の世界シェアでも中国・寧徳時代新能源科技(CATL)がトップに君臨。中国、韓国勢が上位を占める。

こうしたなか、国内自動車メーカーが世界でEV戦略を展開するには、外部のパートナー企業との協力が避けて通れない。

日産は20%を出資する中国系の電池メーカー、エンビジョンAESCグループ(神奈川県座間市)から電池を調達。ホンダも、国内で24年前半に100万円台で投入する軽商用EV向けの電池の供給をエンビジョンAESCから受ける。

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