尹氏、日韓関係改善に意欲も 足を引っ張る「反日」勢力

政権引き継ぎ委員会の会議に出席する韓国の尹錫悦次期大統領=3月22日、ソウル(国民の力提供・共同)
政権引き継ぎ委員会の会議に出席する韓国の尹錫悦次期大統領=3月22日、ソウル(国民の力提供・共同)

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領の代表団が24日、訪日した。尹氏は文在寅(ムン・ジェイン)政権下で悪化した日韓関係の立て直しに向けた第一歩と位置づけている。ただ、韓国内の「反日」世論を政治的に利用しようとしてきた勢力が足を引っ張ろうとする動きは既に顕在化している。

「韓日間には不協和音が多い。これを解消するため、協演するなら『釜山港へ帰れ』はどうだろう」

尹次期政権の外相候補、朴振(パク・チン)氏は22日、林芳正外相とともに演奏するならと記者団に日韓でヒットした曲名を挙げた。朴氏はバンド活動歴があり、林氏も昨年、先進7カ国(G7)外相会合の夕食会でピアノを即興演奏し、話題となった。

朴氏は「経済や観光活性化に役立つなら、日本の外相といくらでも喜んで協演する」と強調。関係改善のためならパフォーマンスもいとわない意思の表れだ。

尹氏側は日韓関係改善に向けた意欲をことあるごとに示してきた。朴氏が率いて今月訪米した代表団も、日韓協力強化の意思を米側に率先して説明したという。日韓関係の悪化が米韓関係にまで悪影響を与えているとの危機感からだ。

訪日代表団も韓国きっての「知日派」メンバーをそろえたが、慰安婦問題を巡る2015年の日韓合意を否定的にみる元慰安婦支援団体や文政権与党の一部から激しい非難を浴びた。実務責任者の韓国外務省局長として日韓合意に関わった人物が代表団に含まれていることを問題視したのだ。

与党「共に民主党」は3月末に発表された日本の高校教科書の検定結果に対し、立場表明を控えた尹氏側を激しく攻撃もした。韓国側の主張と相いれない検定結果に沈黙することで「乏しい歴史認識」を浮き彫りにしたとの批判だ。

こうした状況に、韓国紙は「対日外交は国内政治の領域でもある」と指摘し、過去の政権が対日外交で国内世論に振り回されてきた状況を説明。尹氏側関係者も「関係改善に向けた尹氏の意思は明確だが、それだけでは限界がある」と述べ、日本政府が前向きな立場を示すことに期待を寄せた。(ソウル 桜井紀雄)

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