北海道・知床の沖合で浸水し、乗客乗員26人が安否不明になっている観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」を巡り、国土交通省は23日夜、対策本部会議を開き、斉藤鉄夫国交相は運航会社を監査するよう指示した。同省海事局は海上運送法に基づき24日にも監査を始める方針。観光船が昨年、事故を2回起こしていたことも明らかになった。
国交省によると、観光船は昨年5月、浮遊物と衝突して乗客3人が軽傷を負い、翌6月には出港後まもなく浅瀬で座礁する事故を起こした。いずれも同省の監査と指導を受けたという。
斉藤氏は会議で、観光船が知床岬灯台の南西約14キロの海上から「船首部が浸水し、沈みかかっている」と海上保安庁に通報したと説明。同省幹部をトップとする現地対策本部を24日朝に設置すると明らかにした。
海上保安庁に対しては「人命救助を最優先に捜索活動に当たってほしい」と要請した。