ソウルからヨボセヨ

鎌倉と李朝で競う

NHKテレビの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は現在、鎌倉幕府スタート前だが、韓国KBSテレビの大河ドラマ『太宗・李芳遠(イ・バンウォン)』は200年後にあたる李朝スタート(1392年)後の王位継承争いが佳境である。いずれも激しい権力闘争がテーマで、ともに最高権力者の夫人が重要な役割で登場するところが面白い。

前者は頼朝の夫人・北条政子、後者は国王・太宗のお妃(きさき)・閔氏元敬。ともに夫が権力を掌握する過程で功績があり国政に大きな影響力を持った。日本でも韓国でも以前の時代劇(史劇)は男中心だったが、近年は女性を登場させないと視聴率が取れないらしい。

日本の場合、後に元寇の際の北条時宗(1251~84年)みたいに夫人の家門の北条氏が力を持ち続けたが、韓国では李朝の3代国王・太宗は夫人の閔氏家門を徹底的に粛清し、権力から遠ざけ謀反を排除。王権を確立して500年続く李王朝の基盤を固めた。

ドラマでは夫・太宗によって肉親を殺された王妃・元敬が宮殿の門前で長々と号泣して夫を恨み失神する激情シーンが韓国的だ。そして李朝の開祖である父・李成桂(太祖)と裏切り、裏切られしながら最後は和解する主人公の太宗もよく号泣する。韓国では時代劇も結局、涙のファミリードラマである。(黒田勝弘)

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