大波で転覆、衝突…船の水難事故、過去にも

知床半島(本社機から)
知床半島(本社機から)

北海道の知床半島沿岸で23日に発生した観光船の浸水事故。一般客を乗せた船舶の水難事故は、過去にも各地で発生している。

昭和29年9月に北海道函館港で発生した旅客船「洞爺丸」の遭難事故は戦後最悪の海難事故として知られる。台風による荒天の中で出航を強行したことで沈没、1155人が死亡した。30年5月には香川県高松港沖合で岡山県に向かっていた旅客船「紫雲丸」が貨物船「第3宇高丸」と衝突、紫雲丸の乗員、乗客166人が死亡、2人が行方不明になった。

大規模な船舶の事故は減った一方、中小規模の船の事故は後を絶たない。

60年3月、鹿児島県で瀬渡し船「開洋丸」が大波で転覆し、14人が死亡、13人が行方不明に。同船の最大搭載人員は23人だった。

昭和63年7月には東京湾の浦賀水道で海上自衛隊の潜水艦「なだしお」と釣り船「第1富士丸」が衝突して第1富士丸の乗員、乗客30人が犠牲になった。

平成4年1月には、山口県吉見沖で岩場から釣り客を乗せて漁港に戻っていた瀬渡し船「甲丸」が高波で転覆、乗客9人が死亡した。18年10月には伊豆諸島の新島沖で釣り船「第3明好丸」が高波と強風で転覆し、2人が死亡、5人が行方不明になる事故となった。

近年では令和2年11月、香川県与島沖で修学旅行中の小学生ら62人が乗った旅客船が岩礁に乗り上げて沈没する事故が発生、死者や重傷者はなかった。

河川や湖でも多くの犠牲者を生む事故が起きている。平成23年8月には、静岡県の天竜川で川下り船「第11天竜丸」が岩場に衝突して転覆し5人が死亡。22年6月には静岡県浜名湖で中学校の校外学習中に生徒らが乗ったカッターボートが転覆、女子生徒=当時(12)=が死亡する事故があった。

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