野党、参院選直前の補正審議に期待と不安

記者会見する立憲民主党の泉代表=15日午前、国会
記者会見する立憲民主党の泉代表=15日午前、国会

自民、公明両党が物価高騰の緊急対策で合意し、令和4年度補正予算案を今国会中に成立させる方針を決めたことについて、主要野党は期待と不安を交錯させている。夏の参院選直前に衆参の予算委員会が開かれることになり、野党は岸田文雄政権を追及するための「山場」を手に入れた。ただ、野党は今国会で首相を攻めあぐねてきた。補正の中身を批判するものの、参院選につながる論戦ができるかどうかは不透明だ。

立憲民主党の泉健太代表は22日の記者会見で、政府与党の一連の対応について「遅いし小規模だ」と述べた。総額21兆円の緊急経済対策をまとめている立民の不満は大きい。

泉氏は、国会審議を経ずに政府の責任で執行できる予備費もやり玉にあげた。

政府は1兆4000億円強の緊急対策に4年度予算の予備費を活用する。補正はその分の予備費を穴埋めし、1兆円強の燃油高騰対策を加えた計2兆5000億円から2兆7000億円規模となる。また、新型コロナウイルス対策の予備費の使途を原油高と物価高にも拡大する。

泉氏は「国会軽視の『何でも予備費』になっている。政府のつかみ金になってしまう。財政民主主義違反だ」と強調した。

立民は22日、国会内で政府から緊急対策と補正の説明を受けた。政府側とのやりとりでは予備費への批判が相次ぎ、森裕子参院幹事長は「国会をばかにするのもいいかげんにしろと、ピケを張ってもいいほどだ」と述べた。

他の野党の評価も厳しい。共産党の志位和夫委員長は21日の会見で「独裁政治だ。税金は自公のポケットマネーではない」と批判。日本維新の会の藤田文武幹事長は22日の会見で「選挙への人気取りではないか。最悪だ。バラマキみたいなことになっているのだろう」と語った。

一方、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は22日の会見で、「もう少し(金額の)大きな補正を組んでほしい。あまりに足りない」と注文をつけた。同党は4年度予算の国会採決で賛成しており、対応が注目される。榛葉氏は賛否に関して「われわれの思いがどれだけ反映されるのか、党内で議論して決めていきたい」と述べるにとどめた。

通常国会で補正を成立させた直後の国政選挙は、自民にとって厳しい結果となるジンクスがある。政権が予算委で厳しく追及されている姿が有権者の記憶に残るためだ。

ただ、4年度予算の審議で、野党側は首相を追い詰めることができず、岸田内閣の支持率も堅調に推移した。立民幹部は「どこまでできるか分からないが頑張る」と不安げに語った。(沢田大典)

会員限定記事会員サービス詳細